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手汗克服のための治療法はいろいろ。実際に病院おこなわれている手汗の治療法とは?【治療法ごとのメリット・デメリットもご紹介】

手汗で悩む人は夏場の暑い時期に外へ出かけたり、緊張した時など、自分の手汗がひどくなってきたなと感じると、「手汗に気づかれてしまったらどうしよう。」と不安になり、人と触れ合うのを避けたくなる事もしばしば。スマホはいつも水浸し、書類を扱う際にはヘタすると自分の汗で用紙がシワシワになってしまう事さえあります。

手汗で悩んでいる方の多くは遺伝により幼い頃からそのような手汗の症状を持っている事が多く、普段から常に手の平が湿っていて、緊張すると汗が滴り落ちるほどの症状の人もいます。

このように重度の手汗・手掌多汗症は精神的にも、普段の生活にも支障をきたす事があるのです。進学したり、就職したり、環境が変わる事で今まで気にならなかった手汗の症状が目立ってしまい、手汗を治したいとあらためて感じる方も多いようです。

では、手汗を治す治療法はいったいどのようなものがあるでしょう?

ここでは代表的な実際に病院で行われている手汗の治療方法をご紹介しています。
そのメリット・デメリットも併せて紹介していますので、自分にあった手汗克服の治療法選びの参考にどうぞ。

手汗克服のための治療法

病院で手汗の治療するにあたって、まずその人がどのくらいのレベルの手汗なのかを判断し、その症状に合わせて様々な治療方法が用いられます。しかし治療法の中には「代償発汗」といって、手汗が無くなる代わりに他の部位から今まで以上の汗がでてしまう副作用があらわれたり、その他のデメリットも考えられるので、しっかりと医師と相談し、その内容を十分理解した上で治療を行う必要があります。

薬物療法

様々な薬剤の画像

はじめて手汗の治療を行うといった場合、一般的にこの薬物療法から行われます。
手汗治療にもいくつか種類があり、薬物の服用による副作用や肌の炎症などの症状が出る事もあります。

・神経遮断薬(プロバンサイン)

手汗治療薬のプロバンサイン

プロバンサイン(抗コリン剤)などの神経遮断薬を服用することで、神経伝達物質であるアセチルコリンを抑制し、汗が出るのを抑える方法です。単独で用いられる事は少なく、塗り薬などと併用して服用する事が多いのも特徴です。
頭部や顔面などの多汗症に特に有効とされていて、手汗だけの治療では、神経遮断薬単独の治療はほとんどありません。
現在保険の適用される内服薬は、このプロバンサインのみとされています。
また、このプロバンサインは病院だけでなく通販で購入することもでき、個人輸入通販サイトでもっとも有名とされる「オオサカ堂」などで取り扱われています。
通販の場合診察料がかからない分、治療費をおさえる事ができます。
プロバンサインと同じ成分のジェネリック医薬品「プロスパス」も作られており、更に安く購入することができます。プロスパス (Prospas) 15mg
プロバンサインなどの抗コリン剤は全身の発汗を抑制する事になるため、汗をかいて体の熱を逃がしにくくなります。つまり体に熱がたまりやすい状態になってしまうので、服用した際は、体温の管理と水分補給に気をつける必要があります。
また、高齢者の抗コリン剤の長期摂取の場合、認知症が進行する可能性があるともいわれているので高齢者の服用は注意が必要です。

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神経遮断薬での手汗の治療のメリット

・服用するだけなので、比較的安易に治療ができる。

・プロバンサインであれば、比較的安価な治療費ですむ。

・即効性に優れている。



神経遮断薬での手汗の治療のデメリット

・副作用に、のどの渇き・動悸などの症状がみられることがある。

・手の平だけでなく全身の発汗を抑制するので、正常な発汗まで制御されてしまう事がある。

・高齢者の長期的な服用は認知症の進行につながる危険性がある。



・制汗剤を用いた治療(塩化アルミニウムローション)

ボトルに入った制汗剤クリーム

塩化アルミニウムは、市販されている制汗剤のほとんどで用いられる成分で、汗腺に作用し、汗腺自体を塞いでしまう事で発汗を抑制します。多汗症の中でも特に手汗(手掌多汗症)に最も効果がみられるとされていて、日本皮膚科学会でも推奨されている治療法です。
夜寝る前に塗っておき、朝起きたら洗い流すというだけなので、非常に簡単にできる治療法ともいえます。
ただし、皮膚に合わない場合炎症などの症状が出る事もあるので、肌の弱い方やわきの下など皮膚が薄い場所に使用する際は注意が必要です。
制汗剤は市販されているものでも塩化アルミ二ウム成分を含んでいるのですが、それらの製品が肌に合わないという場合は、こどもでも使用できる肌に優しい成分が使用されている制汗剤もあります。
いくつか試してみて自分にあった制汗剤を見つけるのが理想的です。
肌に合わなかった場合は全額返金が可能なお店もあるので、それを有効活用するのもおすすめです。

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制汗剤を用いた手汗治療のメリット

・手汗(手掌多汗症)にとって有効性が高い。

・保険適用で比較的安価で治療ができる。

・治療は塗布するだけなので楽。



制汗剤を用いた手汗治療のデメリット

・継続して使用する必要がある。

・肌に合わない場合肌荒れや炎症がみられることがある。



心身療法(心理療法、自律訓練法、精神安定剤による治療)

心身療法する医師の問診

手汗などの多汗症は精神性発汗によるものが多く、精神性発汗は精神的なストレス・不安や恐怖などによって発汗が起こります。
心身療法はこのようなストレス・不安や恐怖を解消、除去することによって発汗をふせぐ治療法です。
薬物療法と同じく、治療を開始する初期段階の治療法ですが、重症度によっては他の治療法が必要な場合もあります。
薬を服用したり手術を行う事がないため、体に負担をかけることなく治療ができるのも特徴です。

・心理療法

多汗症で悩む人は、「汗をかいてしまうかもしれない」といった不安感が汗をかいてしまう原因となる事が多く、心理療法では多汗症の人が抱いている、「汗をかいて失敗したらどうしよう」だとか「汗をかきたくない」という恐怖心を根本から取り除いていくといった治療法です。嘘みたいな話ですが実際にそれで多汗症の症状が改善したという人は多くいるのです。
治療は心理士による面接や対話を行い、性格検査・知能検査・認知機能検査などの心理検査を行っていき、患者の考え方や悩み・恐怖心を取り除いていくといったものです。

・自律訓練法

発汗する時に作用する「自律神経」は頭で考えたとしても、基本的にその人の意志で動かす事はできません。自立訓練法とは、決まった内容の事柄を頭で思い浮かべる事で、心や体を自然とリラックスした状態に導くという方法です。
どこにいる時でも行う事ができ、手汗などの多感症の治療としてだけでなく、ストレス解消や、うつ病の治療としても有効とされています。

自律訓練法の行い方は以下の通りです。

・リラックスできる体勢・服装で、できるだけ静かな場所で行います。

・軽く目を閉じ、決められた下記の言葉を声に出さず頭の中で唱えます。
①「気持ちが落ち着いている。」
②「右腕が重たい、左腕が重たい、両脚が重たい。」
③「右手が温かい、左手が温かい、両脚が温かい。」
④「心臓が規則正しく打っている。」
⑤「楽に息をしている」
⑥「お腹が温かい」
⑦「額が心地よく涼しい」

・終わったら「消去動作」を行います。「消去動作」とは何でもいいので自分の中で決めた「手を叩く」だとか「背伸びする」などの決められた終了の合図のようなものです。

この流れが自律訓練法の一連の流れで、1日に2~3回、半年程度繰り返すことで効果があるといわれています。また、基本的には自律訓練は医師の指導の元で行います。
心療内科や精神科だけでなく、皮膚科や内科など様々な病院で行っていることがあるので、病院のホームページで確認してみるのも良いでしょう。

心理療法・自律訓練法を用いた手汗治療のメリット

・薬の服用や手術と違い、体にかかる負担がほぼない。

・汗に対する考え方を根本から変える事ができる。



心理療法・自律訓練法を用いた手汗治療のデメリット

・定期的に継続して通院をする必要がある。

・その人の思想や考え方によって効果が得られない事もある。

・リラックスした状態でも発汗してしまう人には効果がない。



・精神安定剤

上記の心理療法と自律訓練法の説明のように、手汗は精神的なものがきっかけで起こることが多いとされています。
精神安定剤での治療は、薬の服用により精神を落ち着かせて精神性発汗を抑えるといった治療法で、心理療法などと同時に処方されることもあります。
精神安定剤は脳に直接作用するため、大量に服用したり、間違った服用をすると深刻な副作用が出る可能性があり、医師の指示に従い正しい使用方法をしっかり守らなければなりません。

精神安定剤での手汗治療のメリット

・正しい使用法を守れば効果が得られる。

・汗が出ないということに自信がつき、徐々に精神安定剤なしでも汗をかかなくなる事も。



​精神安定剤での手汗治療のデメリット

・継続した治療・処方が必要となる。

・間違った使用法をすると脳に深刻な副作用が出る事もある。



イオントフォレーシス

イオンフォトレーシスをする人
出典:AHC swiss

聞きなれない言葉だと思いますが、イオントフォレーシスは手汗・足汗の治療法で、水道水に微弱な電流を流し、患部を20~30分ほど浸します。
直流電流と交流電流を水道水に流すことで水素イオンが発生し、それが汗腺・汗孔部にダメージを与え発汗自体を抑制するといわれています。
手汗・足汗などの一部の部位のみ集中して治療ができるので代償性発汗などの副作用のリスクも少なめです。
繰り返し通院することが必要となり、治療開始直後は週に2~3回ほど。その後は週に1回ほどの通院となります。

イオントフォレーシスを用いた手汗治療のメリット

・副作用がほとんどない。

・保険適用で、1回あたり1,000円前後程。



イオントフォレーシスを用いた手汗治療のデメリット

・全身多汗症などの手・足以外の治療には向いていない。

・専用の治療器具が必要で繰り返し通院する必要がある。



外科的治療

手術をする医師

手汗などの外科的治療は、重症度が高いと判断された場合や、上記でご紹介している治療法を試してみて効果がみられなかった場合などの最終的な手段として用いられ、主に注射での治療や外科手術を行います。
これによりほぼ100パーセント発汗が止められますが、中には手術などで汗腺から汗が出るのを遮断した事により、別の汗腺からの汗の量が増えてしまう「代償性発汗」などといった副作用がある場合もあります。医師と十分に話し合って治療を行わなければなりません。

・ボツリヌス菌のボトックス注射(局注治療)

ボツリヌス菌を注射器に入れている

ボツリヌス菌は海・川・湖などの泥の中に生息する菌で、そのボツリヌス菌から生成された毒素がボツリヌス毒素と呼ばれます。ボツリヌス毒素はその名の通り毒を持っているため、そのままでは治療に使う事はできません。
そこから毒素を完全に取り除いたものが「ボトックス」で、汗が気になる部位に注射することで発汗するための筋肉の動きを抑制し、発汗を防ぐことができます。
手汗の治療やワキガの治療など、局所多汗症の治療には非常に効果があるといわれています。
また、ボトックス注射は顔のしわを目立たなくする効果もある為、しわの改善などの美容に用いられることも多くあります。
一度注射をすると、2~3日程で効果がみられ、4~9ヶ月程の長期間効果が持続します。保険適応外なので高額な治療費が必要となります。
治療費は両手でおよそ40,000円前後、両足で60,000円前後程は必要になります。

ボトックス注射による手汗治療のメリット

・ボトックス注射を行ったほとんどの人に効果がみられる。

・ボトックス注射は10分程度で終わる。

・4~9ヶ月効果が持続するので通院する回数が少なくてすむ。

・局部の治療となるため代償性発汗などの副作用が少ない。



ボトックス注射による手汗治療のデメリット

・治療費が高額。

・治療には注射による痛みを伴う。

・症状はすぐにおさまるが、注射後握力の低下

・痛みなどがあらわれる事がある。



​・胸腔鏡下交感神経遮断術

胸腔鏡下交感神経遮断術は、全身麻酔での手術で、まず左右両側のわきの下から胸部にかけて各2か所ずつ、計4か所皮ふにメスを入れます。そこからカメラを体内に入れ、モニターで確認しながら、発汗を調節する役割である胸部交感神経を探して切断するといった流れの本格的な外科手術です。
手術を行う病院によって手術方法は異なり、入院が必要なところもあれば、日帰りで手術を行える病院もあります。
効果は絶大で、ほぼ確実に発汗を減らすことができます。胸腔鏡下交感神経遮断術を行うと、手汗だけでなく脇・首・顔・頭部などの発汗も少なくなるといわれています。
しかし副作用に「代償性発汗」を伴い胸や体幹、大腿部などの発汗がひどくなってしまいます
一度切ってしまった胸部交感神経は元に戻ることはほとんどないといわれており、副作用に個人差はあるものの治療の際にはこのような点を含めて医師や家族と十分に話し合う事が必要です。

胸腔鏡下交感神経遮断術の費用や手術の流れについてはこちらで詳しくご紹介しています。
>>>手汗の手術の金額は?保険の適用は?3つの病院を比較してみた結果。 ​

​胸腔鏡下交感神経遮断術での手汗治療のメリット

・ほぼ確実に発汗を減らすことができる。

・手汗だけでなく他の気になりやすい部位の発汗の抑制につながる。

・時間が経っても効果がなくなることはほぼない。

・保険適用で高額医療制度の対象となる。



​胸腔鏡下交感神経遮断術での手汗治療のデメリット

・副作用に代償性発汗を伴う。

・手の水分が不十分になってしまい、乾燥しやすくなる。

・顔や首の発汗量の減少により、熱を帯びたように感じるようになる事も。

・18歳未満の場合、成長により症状が再発することもある。



まとめ

・神経遮断薬(プロバンサイン)の服用は全身の発汗の抑制にもつながるので、体温の管理と水分補給に注意する。高齢者の長期接種は認知症が進行してしまう可能性がある。

・制汗剤の使用は手汗に効果的とされ、日本皮膚科学会でも推奨。肌に合わない場合は使用を控えるなど個人差が出る事もある。

・心身療法が用いられるように、手汗は精神的な部分との因果関係が強く、汗に対する恐怖や不安を解消することで症状が改善することもある。精神安定剤は正しく服用しないと危険。

・ボトックス注射や胸腔鏡下交感神経遮断術などの外科的治療は最終手段であり、治療する際は、代償性発汗などによる術後の副作用のことを考え医師や家族と入念に話し合う必要がある。