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子供がアトピーと診断されたら?気になる子供の乾燥肌。その要因と対処法。 ​

子供の肌は大人よりも薄くとても敏感で、あらゆる事が要因となり子供の肌に湿疹がおきたり、乾燥、痒みを発症してしまうものです。

小さなうちは特に肌トラブルが起こりやすい時期ではあるのですが、あまりにも頻繁に供の肌に湿疹や痒みが起こってしまうと、どうしても気になってしまうのが「アトピー性皮膚炎」。

アトピー性皮膚炎はAD(atopic eczema)と呼ばれる事もあり、語源はギリシャ語で「奇妙な病気」という意味。

ここではそんなアトピー性皮膚炎の症状と対処法をご紹介しています。

アトピー性皮膚炎ってどんな症状?

アトピー性皮膚炎は乾燥肌に加え、強い痒みを伴い、症状が一旦おさまっても、しばらく期間が経つと、また同じ症状を繰り返し発症するのが特徴です。

アトピーの発症は幼少期に起きやすいと言われていますが、思春期、成人以降でも発症する可能性もあります。

アトピーの症状は人それぞれ個人差が大きいのも特徴で、歳を重ねていくうち徐々に症状が軽くなっていく人もいれば、症状が一向に改善しない人や逆に酷くなってしまう人もいます。

アトピーと乾燥肌の違い

乾燥肌はアトピー性皮膚炎の手前の症状といったところ。乾燥肌が続き、悪化すると肌のバリア機能が低下して様々な炎症を引き起こします。そのひとつがアトピー性皮膚炎です。

乾燥肌に加え、湿疹や痒みを伴った症状が慢性化し、繰り返し発症してしまうとアトピー性皮膚炎の疑いがでてきます。

重度になると体の痒みで睡眠もままならなくなります。

子供の乾燥肌に気づいたら、できるだけ痒みを引き起こす前に、しっかりとケアしてあげる事が重要です。

アトピーになる要因は?

子供がアトピーを発症する可能性は意外と高く、その割合は生後4ヶ月12.8%3歳では13.2%もあります。


参考元:アトピー性皮膚炎 – 厚生労働省

アトピーは皮膚のバリア機能が低下した状態の肌にホコリ、ダニなどのアレルゲンの侵入、ストレス、遺伝、その他多種多様な事柄が要因になると考えられています。

ここではアトピーの原因と考えられるものをいくつかご紹介します。

両親からの遺伝

大きな遺伝要素ではないものの、アトピーを発症する原因として、少なからず遺伝が関係する事があります。

皮膚のバリア機能遺伝子、免疫関連遺伝子が関係していると言われ、親から子へとその遺伝子が引き継がれる事があります。

必ず遺伝されるという訳ではありませんが、肌の弱い体質のパパ、ママは日頃からお子さんの肌ケアを心がけておくといいかもしれません。

免疫機能の異常・アレルギー

アトピー性皮膚炎は花粉症などのアレルギー疾患のひとつでもあるため、免疫機能の異常が原因とも言えます。

普通なら不要な免疫反応が普段生活している中のホコリ、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンに反応して湿疹や痒みなどの疾患が起こります。

皮膚の乾燥

乾燥肌悪化はアトピーの症状が発症する前触れです。乾燥は冬場に起きやすいイメージがあるかと思いますが、例え夏場であっても肌の乾燥は起こります。

エアコンで室内の空気が乾燥したり、扇風機の風でさえ皮膚の水分を失う原因となってしまうのです。

石鹸・ボディソープの使いすぎ

出典:Natural Science

現代では毎日かかさず石鹸やボディソープを使って身体を洗うのが一般的ですが、石鹸やボディソープの使いすぎは、乾燥肌やアトピーを引き起こす原因とも考えられます。

汚れのつきにくい部位はぬるま湯で流す程度で、石鹸やボディソープは汚れやすい部位に、手のひらで優しく洗うようにしましょう。

汗・衣類などによる刺激

ハウスダストやダニなどのアレルゲンだけでなく、自分の体から出る汗からも肌が刺激をうけ、アトピーの痒みの原因にもつながる事があります。

また、衣類の素材によっても肌が刺激を受ける事があります。誰もが経験した事があると思いますが、マフラーやセーターでチクチクしたりする現象が、乾燥肌では特に敏感に感じてしまうのです。

入浴・長風呂

熱いお湯に長く浸かると、痒みを引き起こす原因となります。お湯の温度は38〜40℃くらいが最適で、あまり長時間お湯に浸かるのは避けましょう。

また敏感肌の方の入浴剤の使用は、乾燥や痒みの原因になる事もあるので注意が必要です。

ストレス・疲労

ストレスは子供にとっては無縁のようにも思えますが、決してそうではありません。
叱られたり、何か嫌な事があったり、イライラすると体を掻いてしまいます。

体調が良くなかったり、疲労が溜まって体が弱った状態でも痒みが強くなってしまう事があります。

おもちゃで遊んだり、手遊びをしたり、何か集中する事があれば意識をそらす事ができ、お出かけや旅行など普段と違う環境では特に子供の体力を気にしてあげる事が重要です。

紫外線

紫外線を浴びた肌は通常よりも細胞の増殖スピードが速くなります。
日焼けして皮が剥けてしまうのも、それが原因です。

通常よりも速い時間で作られた肌細胞は、水分を維持する能力や、バリア機能が弱く乾燥や、外部からのダメージを受けやすくなってしまいます。

水質が原因の可能性も

水道水に含まれる塩素、酸化アレルゲンはアトピーの原因とも言われています。

塩素は水道水の殺菌、消毒の為に用いられていますが、この塩素にはタンパク質を破壊する作用があります。

極端な言い方をすると、人間の細胞を破壊する作用があると言う事です。

お風呂やシャワーで皮膚に触れたり、食事や飲み水などで体内に入った水道水がアトピー やアレルギーの原因となっている可能性もあり得るのです。

色々試してみても中々乾燥肌やアトピーが改善しないという方は、普段使っている水を見直してみるのもいいかもしれません。

アトピーの症状が発症しやすい部位

出典:SEASTAR

出典:SEASTAR

アトピーが特に発症しやすい部位として腕、足などの関節の内側、首、背中などが多くあげられます。

汗が溜まりやすい部位や、衣類などの摩擦が起きやすい部位がアトピーの痒みが現れやすい傾向にあります。

運動をしたり汗をかいた際は濡らしたタオルなどで軽く拭き取り、清潔にしてあげる。
刺激の少ない衣類を身につけてあげるなど日頃のケアが重要となります。

症状悪化を抑えるための対処法

肌を清潔に保つ

汗をかいたり、体が汚れたりするとかゆみの原因となり、アトピーが悪化してしまう可能性が高くなります。
体が汚れてきたら、こまめに体の汗や汚れをシャワーで洗い流してあげたり、優しく拭き取ってあげるようにしましょう。

●肌に優しい洗浄方法

アトピーや乾燥肌の方は、体を洗う際にも注意が必要です。ボディソープや石鹸は極力、防腐剤や香料など刺激物の少ない低刺激の製品を選ぶようにしましょう。

また、ゴシゴシ洗わずに、しっかり泡立てて擦らずに優しく洗い、泡が残らないように洗い流します。

タオルで体を拭く際も、押さえながら拭き取り、ゴシゴシ擦らないようにしましょう。

肌に潤いを保つ

基本的な事ですが、アトピーを防ぐ為には肌を乾燥させない為に、潤いを保つ事が大切です。

しかし、ただ保湿剤を塗るだけでは十分な保湿効果が得られない事もあります。

効果的な保湿のタイミングや塗り方はどのようにすれば良いのでしょう?

●保湿剤を塗るタイミング

保湿剤を塗るのは入浴後5分以内がベスト。入浴後の肌は水分を吸収しているため、その上から保湿剤を塗ることで肌の水分を閉じ込めてくれます。

とはいえ入浴後に保湿しても、昼間に肌が乾燥する事はよくあります。

そんな時は乾燥した肌に直接保湿剤を塗るのではなく、化粧水を霧吹きに入れて患部に吹きかけて、一旦肌に潤いを与えてから保湿剤を塗ると効果的です。

●保湿剤の効果的な塗り方

保湿剤を塗る前に、まず手を洗って汚れを落とします。手の汚れを体に馴染ませると更なる悪化を起こしかねません。

保湿剤を患部に点在させ、手のひらを使って優しくマッサージするように体に馴染ませていきます。

処方された保湿剤であれば、医師や薬剤師さんから塗り方や量、回数を聞いておくようにしましょう。

●保湿は症状が引いても継続する事が大切

アトピーは良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。

症状が引いた時は、かつて乾燥していた事を忘れるくらい良くなったりもします。

その期間に肌のケアを怠ってしまうと、少しずつ乾燥していき、何かのきっかけでアトピーの症状が再発してしまいます。

たとえ良くなったとしても、日頃の肌ケアはとても大切なのです。

日焼け対策で紫外線予防

多量の紫外線を浴びて日焼けしてしまうと、顔や首を中心にアトピーの症状が悪化につながります。

日差しが強い日には帽子を被ることはもちろん、日焼け止めをしっかり塗ることが大切です。

アトピーの肌は刺激に弱い為、日焼け止めを選ぶ際は、「ノンケミカル」や「紫外線吸収剤不使用」の記載があるものや、「紫外線散乱剤」を使用したタイプを選ぶと肌への負担を軽減する事ができます。

また、日焼け止めを塗る前に保湿剤や化粧下地を先に塗っておく事で、更に肌への刺激を抑えられます。

食事の見直し・栄養をしっかり摂る

睡眠不足、疲労・ストレスなど体力の低下でもアトピーの症状が悪化しています。

油分の摂りすぎや、タンパク質、野菜の不足などでもその原因につながります。

できるだけ和食中心で、野菜も多く摂取できるような食事を心がけましょう。

ステロイド薬について

ステロイド薬とは?

ステロイドは体内の副腎から出されるステロイドホルモンを人工的に作りだした物資で、炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制する作用があります。

ステロイド薬は、アトピーだけでなく様々な皮膚炎、自己免疫性疾患、喘息、鼻炎などの治療の目的にも使用されます。

間違った方法でステロイドを使用していると副作用が出る可能性があるので、使用する際には医師の指示をしっかりと守る必要があります。

ステロイド薬にはランクがある

体の部位によって皮膚の薄さなどが違い、薬の吸収スピードが変わります。

出典:しっかり治そう アトピー性皮膚炎

そのため、使用する部位や病状によって用いられるステロイド薬の種類やランクも異なってくるのです。

Ⅰ群〜Ⅴ群の5種類に分けられており、数字が低いほどステロイドのランクが強力となります。

下記のサイトでは代表的なステロイド薬の強さを写真付でわかりやすく記載されています。

マルホ株式会社-ステロイドランク表

ステロイド薬の副作用は?

ステロイドには副作用があるからあまり使いたくないという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

実はステロイドで重度の副作用が起こるのは、大量のステロイドを内服や注射で長期的に服用した場合です。

普段処方される塗り薬を正しい量で使用していれば副作用の心配はありません。

皮膚が白くなったり、薄くなったりする事がありますが、それは正常な肌に戻っている証拠で、しばらくすると元に戻ります。

アトピーは他人にうつらない

アトピーはその人が持つ免疫機能の異常によって発症するもので、アトピーをうつす細菌などは存在しません。

なので他人に感染する事はありません。

大人であればアトピーは感染しないとわかっていても、小さな子供にとってはやはり分からないものです。

アトピーを抱えている子供は、ただでさえ痒みや傷みに耐えながら、日々辛い思いをしています。

思春期頃になると、特に周りの目が気になってしまいます。

そんなアトピーを持つ子供が、周囲の間違った認識で更に辛い思いをしない為にも、「アトピーは人にうつらない。」という事を多くの子供たちに教えてあげてください。

まとめ

実はこの記事を書いている私も幼い頃にアトピーと診断され、今でも時々アトピーの症状を発症する事があります。

ひどい時は夜眠れないくらい体の痒みに襲われ、無意識に体を掻いてしまいます。

自分の子供がアトピーと診断されたら正直戸惑ってしまう事でしょう。

アトピーは慢性化しやすく、なかなか完治しないのが特徴ですが、上手に付き合って日頃から意識していれば症状を最小限にとどめる事が可能です。

成長していくうちにほとんど症状が見られなくなる事が多いのもアトピーの特徴です。

もし子供がアトピーと診断された場合は日頃からしっかりとケアをしてあげて、それを持続する癖を小さなうちからつけてあげてください。

そうする事で成長した後でも、自然とアトピーを発症しにくい生活を送る事ができるのではないかと思います。 ​