子供救急電話相談事業#8000とは?
昼間はすごく元気に遊んでいたはずなのに、突然やってくる子どもの急な発熱、嘔吐、湿疹。経験したことはありませんか?子どもが生まれて間もないうちや、ましてや初めてのお子さんだった場合すごく心配になりますよね。
病院が閉まっている時間帯や休日など、どうしたらいいのかわからない。そんな時に電話で相談でき、どう対処すべきかを助言してもらえるのが子供救急電話相談事業#8000。
子育てにおける保護者の不安の軽減と、安心して子育てができる環境づくりを目標に、厚生労働省により平成16年に開始され、平成22年に全国47都道府県で事業展開されました。固定電話、携帯電話から通話可能な、まさに子育て世帯の強い味方です。
#8000にダイヤルすると、どこに繋がる?何時まで繋がる?
#8000に電話をすると、大きなコールセンターのような場所に繋がって、それぞれの相談員が対応してくれいるといったイメージの方も多のではないでしょうか?
実はそうではなく、#8000へかけると、電話かけた人が今いる各都道府県へ自動転送されて、そこで待機している各地の小児科医、看護師の方が対応してくれます。なので各都道府県ごとに個別の一般ダイヤル回線も存在しているのです。
通話が可能な時間も各都道府県ごとに様々で、19:00〜22:00のところもあれば、19:00〜翌朝9:00までの地域もあります。いざというときの為に、事前にお住まいの対応時間を確認しておくといいでしょう。
下記のHPで都道府県ごとの一般ダイヤルの番号と実施時間帯が確認できます。
また、2019年2月現在の時点で全ての都道府県で携帯電話からも通話可能です。
#8000と119の違いと子どもの症状確認ポイント
まず#8000は夜間や病院の空いていない休日などに医師や看護師に相談のできる場であり、“重大な緊急時の連絡先ではない”ということを覚えておいて下さい。
子どもの意識がなかったり、呼吸が弱い、大けがにあったなど緊急を要する場合は迷わず119へ連絡して下さい。なお、119に連絡したからといって全て救急車が出動される訳ではなく、状況を伝えた上で救急車の要請が必要か判断してもらう事も可能です。
下記では子どもの様子がいつもと違うと感じたときの症状を見るポイントを記載しています。#8000は診断とは違い、電話でのやり取りになるのでどのような症状があるのかを具体的に、かつ正確に言葉で伝える必要があります。
子どもの症状確認のポイント
・顔色が悪くぼんやりして元気がない。
・耳をさわって痛がる。耳だれがでる。
・息苦しそう、ゼーゼー鳴る、咳がつづく。
・ポツポツ湿疹が出ている。水泡、化膿がある。
・目やにがひどい。まぶたの腫れ。涙目。
・尿、便の色、匂いがいつもと違う。下痢、便秘がひどい。
・鼻水、鼻づまりがひどい。
・唇の色がわるい。口の中を痛がる。
・お腹が張って、触ると痛がる。
・食欲不振
など
子どもがこんなときはすぐに119に連絡を!
・唇が紫さき、呼吸が弱い。
・頭を痛がり、けいれんがある。
・頭を強くぶつけて出血がとまらない。意識がない。けいれんがある。
・激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しく、顔色が悪い。
・手足の硬直。
・激しい下痢や嘔吐で水分がとれず食欲がなく意識がはっきりしない。
・激しいお腹の痛みで嘔吐がとまらない。
・ウンチに血が混じっている。
など
実際に#8000に電話したときの流れ
既に電話で相談された事のある方はご存知かと思いますが、はじめて#8000に電話しようと思っている方や、いざという時の為に事前に電話した際の流れを知っておきたいという方の為に、#8000に電話をした時の全体的な大まかな流れを記載します。
②子どもの年齢、性別、住所等を伝える。
③症状の具体的な内容を聞かれるので、聞かれる項目を細かく説明する。
④症状に応じた処置方法、様子をみて病院が空いてから受診、すぐに夜間診療等の病院に行くように指示、または救急車の要請等の助言をされる。
⑤すぐに病院へ行くように判断されると、その時間帯で受け入れてもらえる病院を紹介してくれます。
#8000に繋がらないときはどうすればいい?
地域によっては#8000の電話回線自体が1回線しかないといった所もあり、時間帯や込み具合によっては、#8000になかなか繋がらないといったケースもあるようです。
そのような場合には、#8000のweb版でもある「子供の救急」が便利です。1ヶ月〜6歳までの子どもを対象に、症状を選択して複数の項目のうち該当する物に全てチェックを入れると、適切な対処方法や緊急性の有無を判断してくれます。
是非活用してみてください。
その他にも#8000につながらない場合の対処法はこちらでご紹介しています。↓
#8000に繋がらない時の対処法!子供の急病時にとるべ行動と普段からの備えとは?
#7119とは?#8000との違い
子育てをしている方にとって#8000は既にご存知の方が多いと思いますが、#7119というものがあるという事はご存知だったでしょうか?
これは救急相談センター事業といって、子どもだけじゃなく全ての住民を対象に、急な病気やケガなどで、救急車を呼ぶべきか迷った場合に専門家のアドバイスをもらったり相談することができる事業です。
#8000の大人も可能なタイプといったところです。ただし、この事業が行われている地域は平成31年時点で、東京都、奈良県、大阪府、福岡県、北海道札幌市、神奈川県横浜市、和歌山県田辺市のみ。消防庁としては今後全国展開を加速させていく考えで、数年後には認知度も上がる可能性があります。
既に実際されてる地域にお住まいの方は、救急車要請の判断に困った際は活用してください。
救急相談センター#7119の詳細はこちら↓
急な病気やケガで困ったら?救急相談センター#7119。その内容を分かりやすく解説!
知っておくと便利!急な病気の際の予備知識
・症状をメモにとっておく
救急病院に行くまでの間や、翌朝病院が開いてから行くまでの間は、「何時にどんな症状が出たのか?」「その症状がどのくらい続いたのか?」「症状が出る感覚は?」などといった細かな状態をできる限りメモに書いておく事で受診時に正確に医師へ伝える事ができ、診断もスムーズかつ的確に行えます。
・救急車要請時に必要な物
救急車を呼ぶ瞬間は、いつ起こるかわかりません、特にそんな時は平常心でいられない場合が多く、気が動転してしまいがちなものです。そんな時の為にも普段から健康保険証、診察券、財布、タオルや簡易的な着替え等の最低限必要な物は、まとめて保管しておくといざという時に便利です。戸締まり、火元の確認も重要です。また、定期的に服用している薬などがある場合は忘れずに用意しましょう。
・呼吸がない、異物を詰まらせた等の救急車が来るまでの対処方法
119に通報して救急車が現場に到着するまでの時間は、全国平均8分30秒と言われています。子どもが呼吸をしていない場合は、すぐに心肺蘇生(人口呼吸)を行ってください。電話を切らず119に繋げたまま、電話をスピーカーにした状態で指示に従いながら行うと良いでしょう。子どもの心肺蘇生では胸を強く押すのに抵抗があると思いますが、心肺蘇生は勇気をもってしっかりと行うことが重要です。一人の場合は大声で近隣の方等に助けを求めてください。
下記サイトでは小児・乳児の心肺蘇生と窒息の対処方法が詳しく掲載されてますので、目を通しておくといざという時の為に役立つはずです。
すくコムNHKエデュケーショナル 救急車がくるまでにできることは?
・#8000通話料は?
#8000に相談する場合、通話料が発生し電話をかけた方の負担になります。相談料金等は発生しませんので、通常の電話代のみの負担となります。電話代だけで専門医や看護師の相談を受ける事ができ、助言をもらえたり不安を解消できるのであれば安いものですね。もちろん、子どもの健康はお金には変えられませんが。
まとめ
#8000を既にご存知という方も、子どもができるまではその存在を知らなかったという方が多いのではないでしょうか。内閣府の世論調査によると#8000の認知度は、子どもがいない人まで含めると1割程度しかないそうです。9割の方は#8000を知らないということです。子どもの様子がおかしい、急な病気やケガをしてしまった時などに誰でも#8000や子どもの救急サイトを使って適切な対応ができるように、多くの人にこの存在を知ってもらいたいと思います。利用する機会がない事が一番なのですが、もしこのような場面に直面した際は#8000を活用し、子育ての不安の解消に役立ててください。最後までこの記事を読んでいただき本当にありがとうございます。
私も子供を育てる一人の親として、#8000の子育て世帯以外の方々への認知と事業の拡大による更なる子育て環境の向上を願っています。