私たちが普段口にしている食べ物は、「汗をかく」といった事にも大きく影響しています。
好きなものばかり食べてしまってバランスの偏った食事をしていませんか?
手汗や多汗症で悩んでいる方は、それが汗を多く出している原因のひとつかもしれません。
手汗・多汗症を予防するためには食生活の乱れをなくして、自律神経のバランスを整えることが必要です。
自律神経は、普段の食生活とも深い関わりがあり、偏った食生活は自力神経の乱れの原因となってしまいます。
では、それに適した食べ物とはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、自律神経のバランスを整え、汗を抑えるために効果的な食べ物をご紹介しています。
自律神経のバランスを整えてくれる食べ物
自律神経の中にある「交感神経」が活発になることで体は汗を出そうとするため、発汗を抑えるにはこの交感神経の活動を少なくしなければいけません。
そのためには体にリラックス効果をもたらす「副交感神経」を優位にさせることが必要となります。
自律神経・交感神経・副交感神経についてはこちらで詳しくご紹介しています。
>>>自律神経っていったいなに?手汗・多汗症は自律神経によってコントロールされている。【自律神経について分かりやすく解説】
イソフラボンを多く含む食品
納豆
アボカド
豆腐
大豆食品などに多く含まれるイソフラボンは、「エストロゲン」という物質の代用となります。エストロゲンとは、女性ホルモンのひとつで、エストロゲンが減少してしまうと自律神経のが乱れが生じ、手汗・顔汗などの異常な発汗を引き起こしてしまいます。
イソフラボンは植物性エストロゲンを多く含んでいるため、女性ホルモンと似たような働きをしてくれるのです。
納豆、アボカド、豆腐の他にも、油揚げ、きな粉、みそ、ザクロ、大葉、もやしなどにもイソフラボンは含まれます。
γ-アミノ酪酸(ガンマアミノらくさん)・GABA(ギャバ)を含む食品
トマト
発芽玄米
なす
γ-アミノ酪酸(ガンマアミノらくさん)は、略してGABA(ギャバ)と呼ばれ、タンパク質を含んでいないアミノ酸の一種です。
血圧・血流の改善、腎・肝機能の活性化、精神安定などの作用があり、神経にリラックス効果をもたらし、気持ちを落ち着かせてくれる働きをします。
更に、副交感神経が優位に働く事によって睡眠の質もよくなるといわれています。
GABAは野菜や麹などに含まれていて、トマト、発芽玄米、なすの他にアスパラガス、かぼちゃ、メロン、みかん、きゅうりなどにも含まれています。
DHEAを増やす食品
山芋
黒豆
納豆
DHEAは、副腎から作られるホルモンのひとつで、人間の体内に最も多く存在しているホルモンです。「マザーホルモン(ホルモンの母)」などとも呼ばれ、自律神経を安定させる為に必要なエストロゲンを作る原料となるくらい重要な成分です。
このDHEAを補う事で肥満の予防、動脈硬化の予防、細胞の活性化、免疫力の低下、筋力の維持など様々な効果が期待でします。
更に、嬉しい事にDHEAは「若返りホルモン」とも呼ばれ、肌の若さを保つ効果もあるといわれています。DHEAは加齢とともに少なくなってしまうので、高年齢の方は特にDHEAが多く含まれる山芋、黒豆、納豆を普段から多く摂ると良いでしょう。
また、DHEAの生成が促進される食品として、青のり、バジルなどがあります。山芋などと一緒に食べる事で、DHEAがより多く体内で生み出されます。
リラックスできる香りのハーブティー
ラベンダー
ジャスミン
ハーブティーの香りによって副交感神経を優位にさせ、リラックス効果をもたらしたり、集中力までアップする事ができます。
ただし、香りには人それぞれ好みがあるため、人によっては効果が見られない事もあります。
色々と試してみて、自分の好みに合ったハーブティーを見つけてみると良いでしょう。
一般的にリラックス効果があると言われるハーブティーには、ラベンダー、ジャスミンの他にも、カモミール、セドロールなどが良いとされています。
幸せホルモン「セロトニン」を増やす食品
バナナ
クルミ
牛乳
幸せホルモンとは、「セロトニン」という神経伝達物質で、自律神経のバランスを整える働きがあります。
なぜ「幸せホルモン」と呼ばれるかというと、温泉に入って癒されたり、リラックスしている時など、人が幸福を感じている時に分泌される物質が、この「セロトニン」だからです。
セロトニンが作られるためには、「トリプトファン」という必須アミノ酸が必要となります。更に、ビタミンB6、炭水化物も同じく必要とされます。この「トリプトファン」、「ビタミンB6」、「炭水化物」を全て含んでいる食べ物が「バナナ」なんです。
バナナは「幸せホルモン」を作るのに最も適している食べ物といえます。
バナナやクルミ以外にも、牛乳、チーズなどの乳製品や、豆腐、納豆などの大豆製品にも「セロトニン」を作るために必要な「トリプトファン」が含まれています。
豆乳で作ったバナナ・オレは「幸せホルモン」生成に関しては、最強といえるのではないでしょうか。
控えた方がいい食品
上記でご紹介した食べ物は、自律神経のバランスを整えて、手汗・多汗症の抑制につながる、「汗の抑制に良い食べ物」。
では、逆に汗が出るのを促進させる食べ物とはどのようなものがあるのでしょうか。
味の濃い食品
交感神経が活発になる事で体は汗を出そうとします。
塩分の多い加工食品やファストフード、甘いスイーツや菓子パンなどは効果神経の働きを活発にさせるので発汗の原因となります。
また、韓国料理やタイ料理などを好む方も、比較的濃い食事に偏りがちなので、味の濃い食べ物の摂りすぎには注意が必要です。
タバコ・コーヒー・お酒
ご存知の通り、タバコにはニコチン、コーヒーにはカフェイン、お酒にはアルコールが含まれています。
これらの物質によって中枢神経が興奮状態となり心拍数や血圧が上昇させます。その結果発汗を促進させる原因となるのです。
タバコは出来るだけ禁煙し、コーヒー、お酒は過剰摂取を避け、一日一杯程度が適量とされています。
水分の過剰摂取
過剰に摂取した水分は尿や汗となって体から排出されます。
水分を多く摂取する事が必ずしも手汗・多汗症だけに大きく影響する訳ではありませんが、水分を多く摂取すると汗の量が増え、汗の量が増えた事によって水分をとる。といった悪循環になる事もあります。
普段摂取している水分の8割程度に抑え、控えめに水分をとる事が良いとされています。
糖質の多い食べ物の過剰摂取
血糖値の変動は自律神経の乱れを起こす原因となります。
空腹の状態で、糖質の多い食べ物を急激に多く摂ると血糖値を上昇させてしまうので、食べるスピードや食べる順番を変えてみたり、少し工夫する事で血糖値の上昇を抑制する事ができます。
糖質の高い食べ物は、ごはんやパン、うどんなどの麺類、ケーキなどがあげられます。
食事の際は、まず野菜や海藻、きのこなどの食物繊維を多く含むものを先に食べます。
食物繊維には糖の吸収を遅らせる作用があるからです。
次に肉・魚類、最後にごはんやパンを食べるといった流れ。
さらにしっかりと噛んで、時間をかけて食事をするのが理想的です。
好きなものを控え過ぎるのも実はよくない
お菓子やコーヒー、お酒などを適度に摂取する事は、決して悪い事ではなく、むしろ必要とされています。
食べていて幸せと感じる事は、心や体をリラックスしてくれ、いい効果をもたらしてくれるのです。
好きなものを我慢してストレスを溜める方が自律神経のバランスを乱してしまうと言っても良いでしょう。
しかし、やはりこれらの過剰摂取はもちろん禁物です。
一日の総摂取カロリーの10%ほど、およそ200kcalほどがちょうどいいとされています。
血糖値の上昇をなるべく防ぐために、甘いものは昼の14時〜15時頃に食べるようにして、深夜の摂取はできるだけ避けるようにしましょう。
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