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​ 中毒110番を知っていますか?子供や高齢者の誤飲時の強い味方!異物を喉に詰らせた際の対処法もご紹介!


近年子供や高齢者の誤飲が多発しています。

突然身近な人が誤飲を起こしてしまった際、どう対処したらいいのかパニックに陥らないよう事前に対処法を知っておく事が重要です。

とはいっても、誤飲した物の種類によってはすぐに吐かせてはいけない物や、医薬品や家庭用品などの化学物質により急性中毒を起こしてしまう物など、様々な対処法が必要となります。

実際に誤飲が起こってしまい、どこに相談したら分からなかったり、応急処置の方法を知りたい場合の相談先が中毒110番

思わぬ物を飲み込んでしまって対処に困った場合などに専門家による判断と、的確な対処法を教えてもらえます。

ここではそんな中毒110番と、誤飲の際の対処法や注意点ついてご紹介しています。

中毒110番って何?

昭和61年7月24日財団法人日本中毒情報センターとして設立。

事業内容は一般市民に起こりえる急性中毒に対する電話相談や情報提供などがあり、家庭で行える応急処置の方法や誤飲によって予想される中毒症状、受診の必要性などの情報提供を行っています。

日本中毒情報センターでは一般市民向けだけでなく医師や医療機関従事者に向けにも情報提供を行っています。

一般専用ダイヤル(情報提供料 無料)

●大阪中毒110番
072-727-2499
365日・24時間対応

●つくば中毒110番
029-852-9999
365日・9時〜21時迄

医師・医療機関従事者向けダイヤル(情報提供料 1件につき2,000円)

●大阪中毒110番
072-726-9923
365日・24時間対応

●つくば中毒110番
029-851-9999
365日・9時〜21時迄

※通常、一般家庭での誤飲やトラブルなどがあった場合には一般専用ダイヤルの方に連絡をしてください。

情報提供料金について

中毒110番では一般の方からの電話相談の際は情報提供料は無料で行なっています。(通話料は発生します。)

情報提供料が発生する場合は、医師などの医療機関従事者からの相談の場合のみ。
医療関係者からの相談は、相談内容一件につき2,000円が発生します。

電話番号も無料の一般専用と有料の医療機関専用とで分かれているので、家庭でのトラブルの際は一般専用ダイヤルに電話をしましょう。

中毒110番で相談できる内容は?

中毒110番では、実際に急性中毒の事故が起こった場合に相談を受けています。

たばこ・乾燥剤・化粧品などの家庭用品、殺虫剤・除草剤などの農業用品、医薬品などの誤飲が急性中毒の事故に繋がります。

また、フグやキノコを口にした際の急性中毒やマムシに噛まれた際の応急処置方法の相談も可能です。

中毒110番で相談できない内容は?

中毒110番で誤飲に関して全て相談できる訳ではありません。

体内に入っても特に急性中毒が起こる事のない、物理的障害のみの異物の誤飲については相談する事が出来ません。

例えば、石・小銭・押しピン・輪ゴム・消しゴム・パチンコ玉・磁石・プラスチック類などは急性中毒の可能性はなく、中毒110番での相談対象外となります。

万が一このような異物の誤飲で、呼吸に異常が見られたり、様子がおかしい場合はすぐに病院に連れて行くか救急車を要請しましょう。

実際に中毒110番に電話をするとどうなる?

急性中毒の事故が実際に起きて中毒110番に電話を入れた際は、迅速な対応の為下記の内容を訪ねられますので、できる限り細かく説明できるようにしておきましょう。

・誤飲を起こした人の名前、年齢、体重、性別

・連絡している人と誤飲を起こした人の関係、連絡者の電話番号

・何を誤飲したのか?商品名、製造会社、使用用途など正確に

・事故の発生状況。摂取量、発生時刻、どのように摂取したかなど

・誤飲した人の現在の様子

異物を喉に詰まらせた際の応急処置方法

異物を喉に詰まらせてしまった場合、呼吸困難に陥ってしまう事も考えられます。

上記で紹介した通り、中毒110番では急性中毒が起きる可能性のない異物の誤飲に関しては相談を受け付けていません。

そこでここでは、急な誤飲により異物を喉に詰まらせてしまった際の対処法をご紹介しておきます。

救急車が到着するまでの間の応急処置の方法は、誤飲した人の年齢や意識の有無、妊娠しているかどうかなど、その人の状態や状況によって対処法が異なります。

対象者の意識がある場合

①無理にでも咳をさせる

異物が喉に詰まってしまった人は苦しさによりパニックに陥ってしまっています。

パニック状態陥ると、焦ってもがくことで体内の酸素はどんどん失われてしまいます。

すぐに救助する旨を伝えてあげ、少しでも落ちつかせることで酸素の消費を遅らせる事ができます。

そして無理にでも咳をさせる事で異物が出てくる可能性があるので、まずはそれを試みましょう。

それでも異物を吐き出せず、状態が改善しない場合は、次の方法に移ります。

②背部叩打法(はいぶこうだほう)

●成人の場合(妊婦でも可能)

座っている状態または立たせた状態で、異物を詰まらせている人の背部から片手で胸部を抱えこみ、もう一方の手を使い肩甲骨の中央を力強く叩きます。

片方の手で胸を押さえながら同時に背中から叩き、異物を吐き出させる方法です。

4〜5回程の素早い叩打を繰り返し行います。

背部叩打法成人 出典:日本医師会

●乳児の場合
膝の上に片方の腕を乗せ、その上に乳児をうつ伏せにした状態で抱えます。

この際乳児の頭が体よりも少し低くなるような体勢にします。

もう片方の手で背中の中心を数回強く叩きます。

背部叩打法乳児
出典:日本医師会
東京消防庁-のどに物が詰まったとき-

③腹部突き上げ法(乳児と妊娠の方には行えません)

上記の背部叩打法で効果が見られない場合には、腹部突き上げ法を試みます。

その名称の通り、異物を詰まらせた人の腹部を強く突き上げて異物の除去をします。

異物を詰まらせた人の後方から、両腕をまわし片手で握りこぶしを作ります。

握りこぶしを作った手を対象者のへそのあたりから、みぞおちの十分下辺りに当てます。

反対の腕で握りこぶしの上から握るような形で、そのまま素早く斜め上部に突き上げます。

この腹部突き上げ法は、内臓を傷つける可能性があるので、腹部突き上げ法を行った場合は必ず医師や救急隊員に伝えた上で診てもらうようにしましょう。

また、乳児や妊婦の方には行うことができないのでご注意ください。

腹部突き上げ法
出典:日本医師会

④胸部突き上げ法(乳児に行う異物除去の方法)

乳児が異物を詰まらせた場合、腹部突き上げ法を行う事ができません。

背部叩打法を試みて、効果がない場合は胸部突き上げ法を試みましょう。

乳児を膝の上で仰向けにさせ、頭が少し下になるようにします。

胸の中心から少しおへそ寄りの辺りを、人差し指と中指の2本で数回強く押します。

胸部突き上げ法
出典:日本救急医学会

対象者の意識がない場合

①119番、AEDの手配

異物を喉に詰まらせ意識がなく応急処置の途中で反応がなくなり呼吸が止まった場合は、ただちに心肺蘇生を行います。

まずは119番で救急車を要請し、他に人がいる場合は、AEDの準備をしてもらいましょう。

②心臓マッサージ

呼吸がない場合だけでなく、呼吸が不規則で異常がある場合にも心臓マッサージを行います。

対象者の額を押し、顎を上げ気道の確保をした上で、胸骨圧迫を30回、人口呼吸を2回のペースで繰り返し行います。

胸骨圧迫の際、乳児の場合は人差し指と中指の2本で胸の厚みの3分の1程沈む程を目安に素早く圧迫を繰り返します。

日本医師会-救急蘇生法-

茅ヶ崎市-心肺蘇生法の手順(乳児・小児)-

③AEDがある場合、または到着次第早急にAEDを使用しましょう。

AEDには成人用パッドと小児用パッドがあり、未就学児には小児用パッドを使用します。

小児用パッドが入っていなければ成人用パッドを胸と背中に貼って使用します。

成人には小児用パッドは使用できません。

日本医師会-市民のための心肺蘇生法-AED

子供が誤飲しやすい物は?

平成27年度厚生労働省の健康被害病院モニター報告によると、子どもの誤飲で最も多いのがタバコ。続いて医薬品、プラスチック製品、おもちゃなどがあげられます。

最近ではIQOSなどの加熱式たばこの誤飲が増加しています
口に入れやすいサイズで、甘い匂いの物もあり注意が必要です。

厚生労働省-「平成27年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」-

家庭で誤飲に注意すべきもの

急性中毒性が高いもの

・タバコ ・医薬品 ・除草剤 ・漂白剤 ・トイレ用洗剤 ・防虫剤 ・殺虫剤 など

急性中毒性が低め

・中性洗剤 ・インク ・石けん ・口紅 ・クレヨン ・絵の具 ・シャンプー ・蚊取り線香 ・マッチ ・体温計の水銀 など

急性中毒の可能性がないもの

・硬貨 ・画鋲 ・クリップ ・ティッシュ ・ペットボトルのフタ ・輪ゴム ・消しゴム ・パチンコ玉 など

ボタン電池の誤飲に注意

ボタン電池を誤飲してしまった場合は、体内で一定の場所にとどまると電流が発生し、臓器を傷つけたり穴を開けたりする可能性があります。

ボタン電池の誤飲に気づいたらすぐに病院で診てもらいましょう。

まとめ

飲み込んだの物によって対処法は様々。

誤飲に気づいた場合重要な事は、何を飲み込んだのかを把握するという事です。

急性中毒の可能性が疑われる場合は中毒110番に電話をして対処法の相談をすると良いでしょう。

もちろん事前に誤飲の可能性がある物を片付けておき誤飲を発生させない事が第一ですが、中毒110番は困った時の強い味方となるので覚えておいて損はありません。