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自律神経っていったいなに?手汗・多汗症は自律神経によってコントロールされている。【自律神経について分かりやすく解説】

手汗で悩んでいる方や手汗の治療法を調べているという方、色々と情報を調べていく中で「汗は自律神経によってコントロールされている。」とか「交感神経遮断術」とか、「神経」というワードをよく見かけませんか?

何となく意味は理解できるけど、神経について詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。

特に手汗の手術を検討されているという方は、「交感神経」を「遮断」する事になります。つまり、あなたの神経が一部機能しなくなってしまうという事です。ほんとに大丈夫ですか?

治療を始める前に、そもそも「自律神経とは何なのか?」をよく知っておく事が必要です。
そんな自律神経について、ここではできるだけわかりやすく解説していこうと思います。

まずはじめに「神経」とはナニ?

子猫 はてな

例えば「右手を上げよう」と頭で考えたとします。
しかし実際に手を上げるためには「右手を上げて」という指令を自分の右手まで伝えてあげないといけません。
その伝達の役割をしているのが人間の「神経」です。

神経は体全体に広がっていて、手足などの体を動かすといった事だけでなく、心臓を動かしたり呼吸をしたり、まばたきをするなど、体のありとあらゆる働きに関わっています。

人の意志でコントロールすることができない「汗をかく」といった事も、神経によって情報が送られて起こる現象なのです。このような、頭では考えていないけれど生命を維持するために必要な体の動きを無意識にコントロールしてくれているのが「自律神経」という神経です。

神経は大きく分けると2種類に分類されます

人間の神経はまず、「中枢神経」「末梢神経」の2つに分けられます。自律神経はこのひとつの「末梢神経」の中に分類されることになるのですが、まずは「中枢神経」と「末梢神経」とはそれぞれどのような役割なのかを見ていきましょう。

中枢神経

脳と脊髄によって構成されている部分が中枢神経とよばれ、ここには多数の神経細胞が集まっていてます。脳や体の各所から送られてきた情報は、まずこの中枢神経に送られてくることになります。
その情報を収集してコントロールするのが中枢神経の役割で、まさに「神経の中心部分」といった存在です。

中枢神経は骨によって大事に守られているのですが、事故などで脊髄損傷してしまうと体に麻痺が残ってしまう事があります。
脊髄損傷で、その中にある「中枢神経」まで傷ついてしまうと体のコントロールがうまく働かなくなってしまうのです。

中枢神経は、それほど重要な部分だということです。

末梢神経

末梢神経は目や耳・手足・皮膚・内臓など、中枢神経から体全身の各部位に向けて広がっている部分の神経の事。
手足で受けた情報を中枢神経に送ったり、逆に中枢神経から出された指示を各所に伝えたりする役割があります。

少し難しくなってしまいますが、末梢神経は更に2つに分類され、ひとつは「体性神経」といって手足を動かしたり、温度や肌触りなどを感じる動物性の機能に関連する神経があります。
もうひとつが「自律神経」。呼吸・消化・吸収・発汗などといった、脳の意思とは関係なく働く神経です。手汗などの発汗と大きく関わってくる「自律神経」は、この末梢神経の一部という事となります。

自律神経は末梢神経の一部

お待たせしました。ついに自律神経にたどり着きましたね。

自律神経にたどり着いたのはいいんだけど、「中枢神経だとか末梢神経だとか、そろそろ混乱してきたぞ!」という方の為に一旦整理しておきましょう。

上の図のように、脳から脊髄にかけて続いている中枢神経で情報を収集したり脳から情報を発信したりします。そして中枢神経でまとまられた指令を、全身にかけて広がっている末梢神経が受けて実際に体を動かしたり、逆に末梢神経が情報を入手すると、中枢神経にその情報を伝えて、新たな支持を待つといったながれ。まさに上司と部下のような関係ですね。
また、その末梢神経から更に2つに分類されて、手足を動かすといったように意識的に働く「体性神経」と、呼吸・消化・発汗など無意識で働く「自律神経」に分類されます。

自律神経の役割

少しだけご紹介しましたが、自力神経は人の頭で考えた意思ではコントロールできない神経で、体の各部位と中枢神経をつないでいる「末梢神経」の一部です。

自律神経は息をしたり、口から体内に入った食物を消化・吸収したり、心臓を動かすなどといった内臓器官の動きや、発汗による体温調節の働きをコントロールするなどの、生命を維持するために体を正常な状態に保つといった役割を果たしています。

「心臓をとめよう」だとか「汗をとめよう」と頭の中で考えただけでは、心臓停止したり汗をとめたりすることは不可能です。これは私たちの意志とは全く別に、自律神経が独立して機能しているからです。

自律神経には種類がある

自律神経にはアクセルのような役割をする「交感神経」と、ブレーキのような役割の「副交感神経」があり、例えば「汗をかく」といった現象は、アクセルの役割の「交感神経」が活発になって起こる現象です。

「交感神経」と「副交感神経]のどちらかが働いているときは、もう一方は機能を停止した状態になります。
主に昼間体を活発に動かしているときは交感神経が働いて、その間副交感神経は停止しています。逆に、夜寝ている間は副交感神経が働き交感神経は停止します。

また、自律神経は無意識で働くといっても、常に安定した状態をキープできる訳ではありません。
食生活の乱れや睡眠不足などによって、この「交感神経」と「副交感神経」のバランスがうまくとれていないと体に様々な異変をもたらしてしまいます。

では「交感神経」と「副交感神経」は具体的にどのような役割があるのでしょうか?

交感神経

人は運動している時や緊張したとき・ストレスを感じたときなど体や脳が活発に働いているときに、交感神経が活発になって、血圧が上昇し心拍数が上がったり、発汗したりします。

体を活発にうごかしたり、興奮したときに働くのが交感神経なのです。
アドレナリンなどの神経伝達物質も、この交感神経を活発させる事に大きく作用します。

過度の運動や、ストレスが溜まり過ぎると体に異変をもたらすように、交感神経の活動が長く続いてしまうと免疫力が低下して体を壊してしまいます。

交感神経の働き

交感神経の働きは主に下記の働きをし、昼間人が体を動かしている時は交感神経が活発になります。

交感神経・汗をかく

・脳の血管を収縮させる

・瞳孔を開く

・唾液を減少させる

・心拍数を増やす

・胃腸の活動を抑制する など

副交感神経

副交感神経は夜眠っているときなど、体がリラックスしているときに活発になる神経です。体を休め十分な休養を得るには、この副交感神経の働きが必要不可欠なんです。

副交感神経が働いているときは、交感神経とは逆の働きをし、心拍数が減り、血圧が低くなり、消化・吸収などの胃腸の働きは活発になります。
つまり、交感神経が働いているときにはできなかった事を、副交感神経の働きによって行うというようなイメージですね。

また、この副交感神経が活発になっているときは、体の免疫力は高くなります。

副交感神経の働き

副交感神経は寝ているときや落ち着いているときなど、体がリラックスした状態になると活発になり、下記のような働きをします。
例えば食後に眠くなってしまうのも、食事をとる事で体がリラックスし、副交感神経が働こうとしているからなのです。

副交感神経・脳の血管を拡張させる

・瞳孔をとじる

・心拍数を減らす

・胃腸を活発にさせる など

交感神経と副交感神経のバランスが重要

交感神経と副交感神経は、人間が生きていくうえで、どちらも欠かせない神経ですが、交感神経と副交感神経は両方のバランスがとれていないと、体に悪影響を及ぼしてしまいます。
ストレスが溜まりやすい環境にいると、交感神経の働きが多すぎてアドレナリンの量も増えてしまいます。そうなると血圧や血糖値の上昇や免疫力の低下などを引き起こし、副交感神経がうまく働けなくなってしまいます。

また、偏った栄養の食事を続けたり、十分な睡眠時間を確保できないなど、生活習慣の乱れによっても交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。

自律神経失調症という病気も、この交感神経と副交感神経のバランスの乱れによって起こる病気なのです。

バランスが乱れによって起こる主な症状

交感神経と副交感神経のバランスが乱れることによって、人の体には様々な悪影響をもたらします。
交感神経と副交感神経はもともと「自律神経」の一部なので、

「交感神経と副交感神経の乱れ」=「自律神経の乱れ」

ということになります。

それによって起こる症状には主に下記のような症状があります。

自律神経の乱れにより起こる症状

・多汗症など体が汗の量をうまくコントロールができなくなる
・睡眠をとっても疲れがとれにくい
・肩こり・筋肉痛・関節の痛みなど
・手足のむくみ・しびれ
・動悸・息切れ・胸のしめつけ
・夜なかなか寝つけない
・頭痛やめまい
・便秘や下痢などの胃腸の機能低下
・イライラしたり不安になったり精神的な異常
・集中力の低下 など

汗を抑制するには交感神経の働きを制御する事

ここまでくると、手汗・多汗症は自律神経が大きく関わっていて、更に自律神経の中の交感神経の働きが活発になる事でおこる症状だということがわかりましたね。

体を動かした後には、人によって量はちがうとはいえ、誰でも汗をかきます。
しかし、手汗・多汗症で悩む人は体を動かして出る汗とは違い、精神的なストレスによるもので汗が出てしまう「精神性発汗」で悩んでいる方がほとんどです。

リラックスして副交感神経を優位にさせ、精神的なストレスを感じている時にでる交感神経をうまく制御させてあげる事で、精神性発汗を抑制することができます。

そのためにはまず、栄養バランス考えた食事、睡眠時間の確保、適度な運動をするといったような生活習慣を整える事が重要となります。

まとめ

・人の体の神経は大きく分けて「中枢神経」と「末梢神経」に分けられ、その「末梢神経」のなかに自律神経がある。

・自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2種類の神経がある。

・「交感神経」は主に昼間体を動かしている状態の時に活発に働く神経。

・「副交感神経」は夜眠っているときなど体がリラックスしているときに働く神経。

・「交感神経」と「副交感神経」のバランスが乱れると、体に様々な悪影響が出る。「自律神経失調症」はこれによって起こる症状。

・手汗・多汗症を抑制するには、「交感神経」を働き過ぎないようにし、「副交感神経」を優位にさせる事が必要。その為には規則正しい生活習慣が必要。

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