日頃から手汗がひどくて汗が出るのを抑えたいとは思っているけれど、手汗で病院に行くのは少し抵抗があるし、病院に通う手間暇を考えるともったいない気がする。
そんな風に思っている方は意外と多いようです。
特にこどもの手汗の場合は、病院で治療したり薬を飲んだりといったところはなるべく避けたいところ。多汗症の手術ともなると、なおさらです。
それならいっそのこと、自分で手汗を改善する方法を見つけてしまえばいいんです!
もちろん手汗は手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)といって、れっきとした病気のひとつであり、病院でしっかりと治療を続ける事も大切なのですが、自力で改善できるのであればそれに越した事はありません。
ここでは自分の力でできる手汗の予防・改善方法をご紹介しています。実践して効果が見られたら、あなたや周りの手汗で悩む方の体に合った方法のひとつといえるでしょう。
腹式呼吸で手汗を抑える

手汗と深く関わってくるのが「自律神経」。
この自律神経の乱れが、手汗の原因のひとつとなります。
人の意思と関係なく、独立して働いている自律神経の中でも、「呼吸」は唯一意識的にコントロールすることができます。
人間の呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があり、私たちは普段「胸式呼吸」をしています。
胸式呼吸をしている時は呼吸が短く、浅い状態で、交感神経が活発にはたらいています。これを意識的に腹式呼吸に変えることで、副交感神経が優位になり、自律神経を整える働きをしてくれるのです。
一日に数回腹式呼吸をする習慣をつけたり、緊張して手汗が出てきた時などには、下記の方法でゆっくりと腹式呼吸をするように心がける事で手汗を予防・抑制する事ができます。
・2〜3回大きく深呼吸をする。
・その後、普段よりゆっくりと、お腹を膨らませるようなイメージで、鼻から息を吸います。
・息を吐く時はお腹がへこむイメージで、口からしっかり息を吐きます。
・息を吐く時間は、吸う時の2倍くらいの時間をかけてゆっくりと全て吐き出してください。
この腹式呼吸を1〜2分繰り返す事でリラックス効果が期待できます。
最初のうちはうまくできなくても徐々に慣れてくるので、慣れてきたら頭の中でリラックスしている状態を思い浮かべながら行うとより効果的です。
リンパ節を冷やす
体には約600箇所もの数の、小さな豆のような形の「リンパ節」という免疫器官があり、これをうまく冷やすことで体温上昇による発汗を防ぐ事ができます。
夏場や緊張して体がほてってしまった時に、手汗や体の発汗を抑制するのために有効な方法です。
発汗の抑制につながるリンパ節がある場所は主に下記の部位にあります。
・後頭部下から首の後ろ
・鎖骨(特に左側に集中)
・脇の下
・太ももの付け根付近
・ひざの裏
方法はこの部分を集中して冷やすだけなので、とっても簡単です。
外出時であれば、冷えたペットボトル飲料や缶ジュースで冷やしても効果が見られます。
自宅であれば氷水で冷やして軽く絞ったタオルでリンパ節のある部位に当て、冷えが悪くなったらまた氷水につけて繰り返すと良いでしょう。
手汗の話とは異なりますが、このリンパ節は、逆に冬場など体を温めたい時にも効率的に体を温める事ができます。
暖かいシャワーや、ホッカイロなどを上記のリンパ節のある部位に当てる事で体の冷えを改善する事ができます。
ツボを押す
リラックス効果が得られたり、代謝異常を整えてくれたり、他にも様々な効果があるツボ押し。
その中でも、手汗の抑制に効果があるといわれる「ツボ」をご紹介します。
重要なイベントのまえに緊張をほぐしたい!緊急で手汗を少しでも改善したい!などという時はこのツボを押してみましょう。
5秒ツボを押して、5秒離すを繰り返すだけなので、どこにいても実践できます。
また、腹式呼吸と併用して行うと更に効果的です。
子供の手の平のツボをマッサージする時は、親指で強く押さずに、親指以外で優しく押さえる程度にしましょう。
手の平の真ん中(労宮・ろうきゅう)

労宮は手の平の真ん中にあるツボ。手を握ってグーを作った時に、中指の先が当たる場所がこの労宮です。
精神を落ちつかせて、リラックス効果が得られるといわれ、緊張した時や不安になった時にはこのツボを押すと良いでしょう。
手汗に備えたい時はまず手の平の真ん中を押すと覚えておきましょう。
親指と人差し指の付け根(合谷・ごうごく)

親指と人差し指の付け根のあたりにあるツボが「合谷」で、このツボを押す時は、やや人差し指よりに押します。
合谷は発汗機能を正常にしてくれるだけでなく、視力の回復や痛みの緩和など様々な効果がある「万能のツボ」とも言われています。
小指の付け根(後谿・こけい)

手を握ってグーにした時、小指の付け根あたりに出っ張りができる部分が後谿です。
後谿には体の熱を鎮める効果や、筋肉の緊張や痛みを緩和する効果があり、ここを押すことで手汗などの体の発汗も防ぐ事ができます。
ストレッチや適度の運動をする習慣を

運動不足が続くと体の代謝機能が低下し、体に熱がたまりやすくなってしまいます。
それによって熱を外に排出しようとして多くの汗が出る結果となります。
また、ストレッチで体の筋肉をほぐしたり、適度の運動をする事で代謝機能を改善するだけでなく、体を動かす事で気分もリフレッシュできます。
精神的にもリラックスできるので、自律神経のバランスを整え手汗を予防するには、ストレッチや適度の運動はとても効果的です。
しっかりと良質な睡眠をとる

自律神経には昼間に活発になる交感神経と、夜寝ている間活発に働く副交感神経があります。
この2つのバランスが取れないていない事が自律神経の乱れとなり、手汗を促進させる原因となります。
睡眠不足の状態が続くと、交感神経の働きばかりが活発になってしまう為、6〜7時間ほどは睡眠時間をとるようにしましょう。
ただし、睡眠時間を確保したとしても眠りが浅い、度々目が覚めるなど、十分な睡眠が得られない場合もあります。
睡眠の質をあげる手段として、下記の方法が効果的です。
●夜はパソコンやスマホの画面の見過ぎに注意
明るいパソコンやスマホの画面や照明などの明るさの強い光をあびると、睡眠を促す「メラトニン」という成分の分泌が減少してしまいます。
●寝室は特に清潔にしておく
寝ている間ホコリ・ダニ・カビなどを吸い込むと、体がそれに反応して眠りが浅くなってしまいます。
鼻がムズムズしたり、くしゃみが出ることが原因で目が覚めてしまう事もあります。
●食事の後すぐに寝ない事
食事をして満腹になると、眠気を感じる事がありますが、そのまま寝るのは避けましょう。
体内で消化が活発になっている間の睡眠は浅く、良質な睡眠は得られません。
食後3時間ほど経ってから就寝するようにしましょう。
食生活の見直し

自律神経のバランスは普段の食生活とも関わってきます。
バランスの取れた食事を摂って腸内の環境が整うことで、気持ちを落ちつかせてリラックスさせる「セロトニン」や、やる気や意欲を引き立てる効果のある「ドーパミン」などの成分が腸内で分泌されます。
これらの成分が、自律神経のバランスを整えるために大きく貢献してくれるのです。
コンビニのお弁当や味の濃い物ばかり食べていないか?
一日3食適度な時間に食事ができているか?
など、まずは自分の普段の食事の栄養バランスを見直して改善してみましょう。
手汗予防に効果的な食べ物にはこちらで詳しくご紹介しています。
>>>食生活の改善で手汗を予防!手汗・多汗症を抑えるために効果的な食べものや避けるべき食べ物とは?
制汗剤を使って手汗を抑える
これまでご紹介した方法を継続して実践してみても、なかなか効果が見られないといった方は、制汗剤を使用するなど、外部的な対策をしてみるのも効果的です。
ただし、手汗に効果があるといわれる「塩化アルミニウム」という成分は、人によって肌荒れや炎症が起こることもあります。
敏感肌の方や、こどもへの使用は肌にやさしい比較的刺激の少ない成分の制汗剤クリームを選ぶと良いでしょう。
制汗剤クリームであれば手汗が気になった時に取り出してサッと塗るだけなので、非常に便利です。
塩化アルミニウムを含む制汗剤
●スプレータイプの制汗剤 ボトミックス
●えびす調剤薬局が販売する塩化アルミ二ウム液(医薬品)
塩化アルミニウムを含まない比較的肌にやさしい制汗剤クリーム
●制汗剤クリームTESARAN(テサラン)

敏感肌の人やこどもでも使える制汗剤クリーム。
楽天・アマゾンでもランキング1位となるくらいなので信頼できる制汗剤クリームです。
テサランは楽天・アマゾンよりもTESARAN公式サイトの方が安く買うことができます。

●手汗用制汗剤ジェル フレナーラ

ジェルタイプの制汗剤。こちらも肌にやさしい成分のため、こどもでも使用できます。
初回購入で850円と激安で購入できるのですが、割引は定期購入の場合のみといったところが少しだけネック。

制汗剤クリームで本気で手汗対策したい方は必見です。テサランとフレナーラの、それぞれの特徴をご紹介しています。

テサランvsフレナーラ。肌に優しい人気制汗剤を徹底比較。
即効性を求めるなら手汗を抑える薬の服用
手汗を自力で改善する方法として、手汗専用の薬の服用をするという手段もあります。
薬によっては効果は抜群で、服用後2〜30分後には手汗の症状がなくなります。
しかしその分、薬の服用は人によってそれぞれですが副作用が出ることもあります。
特にこどもの手汗への薬の服用は、病院で処方された薬意外はおすすめできません。
いま手汗が出てしまうと絶対困る!など、ここぞといった時の為に手汗を抑える薬をひとつ携帯していると安心できますね。
●オオサカ堂のプロバンサイン

病院でも処方される「プロバンサイン」効果は非常に優れており、即効性もあります。
服用する際は、副作用にのどの渇き・便秘・眠気などがあるので注意しましょう。
●オオサカ堂 プロスパス

プロスパスは上記プロバンサインのジェネリック医薬品で、同じ成分で安く購入ができます。
効能・副作用はプロバンサインと同じなので、ジェネリックに抵抗のない方はこちらがおすすめと言えます。