子どもが自分でハイハイができるようになったり、捕まり歩きができるようになるのはとても喜ばしい事です。
しかし、子どもが成長すると同時に様々な子どもに対する危険要素が発生してきます。
中でも子どもが思わぬ物を誤飲してしまった場合は、突然の出来事でどう対処していいかパニックになってしまいますよね。
ただでさえ慌ててしまう場面なのですが、そこで更に厄介なのが誤飲してしまった際、「物によってはすぐに吐かせてはいけない」というところ。
ここでは子どもの誤飲の原因と対策、誤飲した物の種類別の正しい対処法についてご紹介しています。
子どもが誤飲してしまう理由
子どもは本能的に物を口に入れる
子どもは今まで手が届かなかった場所に手が届くようになると、興味があるものを手に取りすぐ口に入れてしまいます。
何でも口に入れるのはうちの子どもだけ?
と思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、それは子どもが立派に成長している証拠であり、当たり前の行動です。
物を口の中に入れてその感触でそれがどういった物なのかを認識したり、歯が生えてくる工程での歯茎の痒みを解消するために物を口に入れてしまうのです。
この行為は成長するにつれて少なくなってきますが、生後5ヶ月くらいから6歳くらいまで続く場合もあるようです。
親の目線と子どもの目線の違い
子どもの手の届くところに物を置かないように心がけている方は既に多くいらっしゃると思います。
しかし実際子どもの目線になると、意外なところに見落としていた物などが見つかるものです。
テレビ台の下や後ろ側におもちゃが落ちてしまったていたり、ソファやベッドの下、冷蔵庫と流しの隙間など意外なところに誤飲の原因が転がっています。
また、冷蔵庫のマグネットやカレンダーをつけている画鋲なども要注意です。
子どもは親の行動をよく見てる
近頃スマホに異常に興味を示す子どもが急増しています。
あなたのお子さんもスマホやタブレットを使いたがったりしませんか?
これは親が見ているもの、触っているものを子どもが見ているからですよね。
タバコを吸っている姿や、病院でもらった薬飲んでいる姿も同じです。
子どもがタバコや薬は美味しい物と思って、口に入れてしまうケース多く発生しています。
子どもの口に入れてはいけない物を扱う際は特に注意が必要です。
口に入れた時にビックリさせてしまうのはNG
子どもが危ない物を口に入れているのに気づくと、思わず大きな声をあげて注意してしまいますよね。
しかし大きな声をあげてしまう事は子どもの誤飲の原因になりかねません。
それにビックリして反射的に子どもが異物を飲み込んでしまったり、喉に詰まらせてしまうケースも発生しています。
そんな時に落ち着いて対処するのも難しいかもしれませんが、できる限り子どもを驚かせないよう取ってあげるようにしましょう。
子どもが誤飲しやすい物
タバコ
子どもが誤飲するケースで最も多い物がタバコ。近年、IQOSやgloなどのヒートレスタバコの誤飲も急増しています。
親や周りの大人がタバコを吸っている姿を見ると、どうしても子どもは興味が湧いてしまいます。
子どもにとってタバコ1本分(ニコチン10〜20mg)で致死量の毒性となります。
そして、子どもがタバコを誤飲したり食べてしまった時は、絶対に水や牛乳を飲ませてはいけません。
ニコチンが溶け出してより多く体内に吸収されてしまう恐れがあります。
1〜2度吐き出させてみて、吐き出せない場合はすぐに受診しましょう。
症状が重い場合は救急車を要請してください。
発見後の子どもの症状の変化、口にしたタバコが新しいものか、吸い殻か、水に浸かっていたかを確認して医師に伝えられるようにしましょう。
薬
タバコと同じように、子どもが大人の薬を誤飲してしまうケースが多く発生しています。
子どもが薬を誤飲した時は、袋に入った状態かどうかや、口に入れた薬の種類によって対処法が異なります。
発見した際すぐに薬の種類や名前、口にした量を確認して、中毒110番、#8000、かかりつけの病院などに伝えて対処法の指示を仰いでください。
症状が重い場合は救急車を要請してください。
ボタン電池
子どもの玩具には電池が取り出せないように、わざとネジ止めしている物がほとんどです。
それなら何故ボタン電池の誤飲が多いのでしょう?
実は子どもが誤飲する原因となるボタン電池は、保管している場所や、使い終わった電池を入れている場所などから子どもの手に渡っているケースが多いのです。
子どもがボタン電池を飲み込んでしまうと、電池の電流により喉に張り付いてしまいう場合があります。
出てこないからといって、無理に吐き出させようとすると張り付いた部分が広がってしまい危険です。
すぐに病院へ行き、見てもらうようにしましょう。
洗剤
ジェルボール洗剤という、鮮やかな色でいかにもお菓子の様なボール状の洗剤をご存知でしょうか。
頭に思い浮かべただけで、子どもの興味をそそるのも納得ですよね。
洗剤を誤飲してしまった際は、水や牛乳ですすぎ、病院で見てもらうようにしましょう。
その他の誤飲に注意すべきもの
日用品、おもちゃ類
・スーパーボール
・ブロック
・風船、ビニール袋
・マグネット、画鋲、押しピン
・防虫剤
・シャボン玉の液
・灯油
・防虫剤
など
食べ物
・ミニトマト
・大きめのぶどう
・ゼリー
・マシュマロ
・飴玉
・お餅
・豆類
など
誤飲に気づいても吐かせてはいけない物
灯油、ガソリン、除光液、マニキュアなどの石油製品
気管や肺に入ると、肺炎に繋がる恐れもあり、食道のや気管に損傷を与える危険性あり。
また水や牛乳を飲ませると、吐きやすくなったり、吸収の促進になってしまうのでやめましょう。
漂白剤、トイレ用洗剤、カビとり洗剤、パイプ用洗剤などの酸性、アルカリ性物質
食道や気管にやけどを及ぼす可能があります。吐かせようとする事でその範囲が広がってしまいます。
水や牛乳を飲ませる事でやけどの作用を多少なりとも和らげる事ができます。
誤飲した時の対処法
何を飲んだかの確認
子どもの誤飲に気づいたら、まず何を飲んだかの確認が非常に重要です。
それによって、適切な対処ができるかが変わってきます。
もし明確に何を飲み込んだのか不明であれば、その付近に置いていて飲み込んだ可能性のあるものを医師に伝えられるようにメモしておきましょう。
中毒110番に相談
誤飲した場合の対処に迷った際に相談できる専用ダイヤルです。
子どもの年齢、体重、誤飲した物を伝えて対処法や応急処置法を教えてもらうことが可能です。
大阪 中毒110番
072-727-2499 24時間対応
つくば 中毒110番
029-852-9999 9:00〜21:00
#8000
子どもの急病時に、その症状による対処法や病院で受診すべきかなどの相談が可能です。
比較的症状が軽いと思われる場合は#8000へ連絡し相談してみましょう。
誤飲した物を吐かせる
子どもが誤飲した異物により気道を塞いでしまう誤嚥(ごえん)を起こしてしまった場合は、早急に吐き出させるか気道の確保が必要です。
救急車を呼ぶ間、電話を繋いだまま指示を受けながら適切な方法で呼吸の確保を行いましょう。
救急車の要請
子どもが誤飲してしまって、ぐったりとしたり顔色や唇の色が青白くなってきたり、容体が悪い場合は、すぐに救急車を呼んでください。
何を飲んだかわからないときは?
子どもが何かを飲み込んだのには気づいたけど、何を飲み込んだかが分からない。
そんな時はどうしたら良いのでしょうか。
物によっては病院に行ってもレントゲンに写らないので対処のしようがない場合もあります。
しばらく注意して観察するようにし、少しでも子どもの様子に異変があればすぐ病院へ連れて行くようにしましょう。
まとめ
子どもは親が知らない間にどんどん成長しています。
昨日まで届かなかった場所に今日手が届いたり、手が届かない場所でもよじ登りだしたり。
そのようなことも含めた上で子どもの誤飲対策をすると良いですね。
実際に誤飲してしまった時は、子どもが何をどれだけ飲んだのか、またその異物が吐かせて良いものかの確認が重要となります。
その際中毒110番や、#8000といったサポートを活用するのも良いでしょう。
誤飲を防ぐ事が第一ですが、万が一の急な子どもの誤飲時も慌てず対処できればいいですね。